家に電話をかけた
すると若い母がでた
どなたですか?と問うので
あなたの息子ですと彼はいった
うちに息子はいませんといわれて
切られた
もう一度電話すると家内が出た
どなたですか?と問うので
僕です あなたの旦那ですと彼はいった
するとすぐに電話は切られた。
また電話をすると娘が出た
どなたですか?と問うので
パパだよと彼はいった
パパは家にいるよと言われて
電話は切られた
もう一度電話すると家内がでた
すぐに切られそうになったので
もう一度自分の名前を言うと
主人は去年亡くなったと言われた
時間旅行の最中にロストしてしまった彼は、
月と地球のわずかな磁場の歪を利用して
時間旅行者用の個人電話をかけるが
パワーが安定していないため、
なかなか自分の時代に繋げることは難しかった
少し諦め顔で彼はスーツのポケットに
電話をしまい、三浦海岸の駅の方へ歩きだした。