2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧
お昼時 鼻歌混じりで、みらいくんは暖簾をかきわけて入ってきた「おばちゃ〜ん。肉うど〜ん」みらいくんは毎日この食堂を利用してる みらいくんが何故みらいくんと呼ばれているかというと 彼は未来からやってきたのだが、時間旅行法に違反して 時間流しの刑…
曇天のホームでは「のぞみ」を待つ人々が 少しづつ列を作った。 ・そういえばきみ最近どうしてたんや ・ほぉほぉ そぉかぁ 突然、男は一人でぶつぶつをつぶやき始めた ・んでなんでそんなカッコウしてんねん(笑) ・気色悪いわぁ 最初は電話でもしてるのか…
ワイシャツの袖を捲くった若い刑事は 机をたたき、彼の腹を思い切り蹴りとばす。 鈍い音と共に彼とパイプ椅子は冷たい床に放り出された 再び彼を椅子に座りなおさせると 今度は初老のやせた刑事が 懐からハイライトをとりだし火をつけた 「もういいから観念…
満ち足りた毎日の中で 何かがぼんやりと欠け始める 砂の城が波に浚われていくほど あっという間ではないが いつの間にかぼんやりと欠け始めている それは少しずつ汐が引いていくかの如く 彼の心のエンジンが減速していく みんな 帰りたがっている春の夕暮れ…