未来倉庫

 
倒産寸前の町工場を営む彼は
窮地にいた。
物価は高騰し、第三国の安い賃金に
大手メーカーは生産を移管し国内の工場は
仕事がなくなってしまった。
 
このままでは潰れてしまう。
彼は思慮した結果ある突破方法を思いついた
そして、過剰なまでに在庫を空にして
工場もフル操業して売り手のない部品を作り
工場は廃業した。
 
彼の息子の時代
古い倉庫と共に彼の息子は遺産として
それらの部品を相続した。
 
すると、其の部品の単価があがり
彼の息子はその部品在庫で財を取り戻すことが
できた。
 
先代の彼は未来に市場があり、高騰することを
見据えて、過去に部品を作り残し
次の世代の土産としたのだった。