2022-02-27 夕ばえ交差点 2月になるとほとんど授業はなかった。クラスも誰かが受験でいなくて自習が続く。未来は何処に繋がっているのだろう?後輩達の部活を除く気分にもならず今にも降りそうな鉛色の空を恨めしく仰ぐ。なんて空だろう。この1でも0でもない時間を彼は持て余している。誰もいないと思って教室のドアを開いたFさんと目があった。3年間ほとんど話した事がなかった彼女が照れ臭そうに笑った。つられて笑うと彼女はそのまま踊り場を降りていった。あんな顔で笑う子なんだ。そう彼は思った。