夕ばえ交差点


2月になるとほとんど授業はなかった。

クラスも誰かが受験でいなくて

自習が続く。

未来は何処に繋がっているのだろう?


後輩達の部活を除く気分にもならず

今にも降りそうな鉛色の空を恨めしく仰ぐ。

なんて空だろう。

この1でも0でもない時間を彼は

持て余している。


誰もいないと思って教室のドアを開いた

Fさんと目があった。

3年間ほとんど話した事がなかった彼女

が照れ臭そうに笑った。


つられて笑うと彼女は

そのまま踊り場を降りていった。

あんな顔で笑う子なんだ。

そう彼は思った。