その頃の彼は一日が10分で
一年が一週間くらいだった。
同じような食事と同じような会話、
同じような結果と同じような課題。
暦はいれかわっても
季節は動かなかった
彼の中で時間はゆっくりと流れ
彼の外で時間は加速していった
衛星軌道上に打ち上げられた
新しい星は、彼の心を読みとり
そして彼にアドバイスをした
内時間と外時間の間に挟まって
混乱している人々よ
その現実を受け入れなさいと。
彼が目を覚ましたのは
冷たいニュータウンの歩道だった。
無数の星が瞬き、新しい一年が
始まろうとしている。