タイムマシンドライバー


送迎用のタイムマシンの調子が悪く

予定のコースを外れて漂着してしまった

すぐに救難信号を出して救助を待つ間

クライアントには難民キットを装備させた

しばらく彼らは夢の中だ

少し歩いてみようと彼は外に出た。


ひんやりとした夏の朝だった。

運河を渡って彼は倉庫が並ぶ

岸壁を目指した。


釣り人が何人か準備中らしい。

ポケットに忍ばせたハイライトに

火をつけるとそのフレーバーが

風に流されていく

いつのまについてきたのか

クライアントの子供が後ろから

アレはなんだと問うた


坊ちゃん あれはツリと言って

人がサカナをつる仕事ですよ


子供はサカナを釣るという意味が

よくわからない顔で空を見た


仰ぎ見ればかもめが

気持ちよさそに空を舞う。

二本目を取り出すとビーパーがなった

もうレスキューは到着したか。