2132年(コンピューターゲーム)

領空侵犯の情報が無人偵察機からおくられてくると
すぐに国防省は最寄の基地からロボット迎撃機をスクランブルさせた
 
数機の機影を確認したレーダータスクは型式をデータベースから採取し
迎撃機に情報を軍事衛星経由で流す
 
迎撃機は連携して迎撃パターンを構築し、
想定電池残量と天候条件から帰着経路を算出、
回収用の潜水空母の配置を打診してきた
 
民間機であろうが、軍用機であろうがこの時代においては
どちらも領空侵犯した時点で打ち落とされるのがルールであり
その点において政治的な紛争が起きることはなかった
 
南洋の領土問題を抱えているA国との小競り合いは日常茶飯事で、
お互いのカードを理解している以上は
最終兵器が持ち出させれることはない。
 
21世紀の前半までは人がリモートマニピュレートして無人機を操っていたが
すぐに自律型のロボット兵器が登場し、軍隊は完璧に組織化され
人々は戦争から解放された後、すべての戦闘はロボット兵に委ねられた。
 
人々が傷つくことはなくなったが、
自然災害による食料不足、原因不明の疫病、出生率低下が加速し
今世紀には人類は逝き絶えてしまった。
 
が、原子力での発電と蓄電を完全に制御できるパワータスクは生産工場を
バックアップしロボット兵器の量産をつづけ、国防のために必要な土木関係は
スケジュールタスクが無人工機使って道路や港湾の整備を実施し、
エンジニアタスクは新素材の開発に専念し新しい武器の開発に余念がない。
 
政治家はいなくなったが、ゲームタスクが国防のもと、国の形を保っている。