ガラガラと窓を開けると
空を流れる風の音が聞こえた
雲はなかったが、ごおぉっと高い空から聞こえる。
私はふと思い立って庭履きをひっかけて
裏木戸を抜けた。
決して誰かを困らせようと思ったわけではなく
ただ、どうしても丘陵の森を見たくなった。
すでに多くの葉は地に落ち、
がさがさと歩くたびに乾いた音がする
森の奥へ奥へとはいっていくほどに
町の音は消えた。
紅や黄色、橙に染まった木々の葉はやらかい光を受けて
一面を色づけている。
真空の空から風が吹きおろし始めると
それらは別れを惜しむように、くるくると輪舞しながら
今年最后のショーを見せてくれた。