as time goes by...

甘いピアノは主張しなかった
ただおもむろに最初の音を奏でると
 
乾いたベースも口を挟まず
それに続いた
 
よく磨かれたドラムだけが
ときおり何かをつぶやく
 
半地下のバーの店内は客同士の会話もなく
燻る紫煙とグラスに融けてゆく透明の氷の向こう側で
 
トリオはいつものスタイルで演奏している
 
時はうつろい、さまよいながら
記憶の分解を進行させる...