ゴン

 

ゴン お前だったのか?

硝煙を発する銃を抱えたまま彼はつぶやいた

 

お互いがどう言うものか

わからないまま真実にたどり着く事がある

 

降り積もった雪に小さな木の実が

大事に供えられている

 

痩せて細くなったキツネの体温を彼は

愛しく思った。

 

雲の隙間から光が差し始めると

あたりは眩しく輝く。その中に二人はいた

 

ゴン お前だったのか。