準急が停まる

静かな郊外に家を構えた

私鉄系の不動産屋の建て売りだが

家族も気に入っている


お隣も同世代らしく似たような

家族構成だった。


ご主人は勤め人らしく

スーツ姿で毎朝 家を出る

たまに駅までの道のりをご一緒するが

腰の低い丁寧な人だ。


奥方も明るく話やすい

子どもたちもきちんと挨拶ができる

理想の家族かもしれない。


休みの日は仲良くドライブが習慣らしい。


セドリックは懐かしい車だ。

紫に塗られた車体にオーバーサイズの

ホイールに斜めにアライメントされたタイヤ

大型マフラーに前後にオーバーハングした

デッパや竹槍 うるさいだけのエンジン

ガーガーと唸りながらもスピードがないので

族車はなかなか遠くに消える事は無い

音割れした派手な音楽と共に。


あれもまた非日常の世界なのか

いったいあの家族はなんだろうか?


しかし家族だから、いいのかもしれない。

世間に合わせて生きていくよりも

自分たちのやり方でいくよと。


それは少し羨ましくもあり

迷惑でもある。