目が覚めると
そこは夏だった
蝉の鳴く声が窓のカーテン越しに
飛び込んでくる
今は16歳、彼女はさわやかな朝を
2階の子供部屋で迎えた
1980年といえばまだジョンレノンは生きている
彼女は右腕のタイムディテクターをのぞき込んだ
私はこの時代に帰ってきた
彼女を呼ぶ声が下の階から聞こえる
懐かしい母親の声だ
3分しかここにはいられない
「はーい」彼女は自分の声に驚いた
これも懐かしい声だった。
笑ったし泣いた
もう一度彼女は眼を閉じた
次はどの時代に行くのだろう
再び夢の中へ