夏至

梅雨の晴れ間
交差点の向こうに武者が立っていた。
 
古めかしい鎧と兜を装って彼は動かない。
 
折れた矢が背や腹に刺さる。
枯れ草が腰に絡まリ、ハネた泥が頬に残る。
 
やがて一人二人と陽炎のように武者が増える
馬に乗ったものもいる
 
誰も表情はわからない
 
戦は終わったのか?
これから始まるのか?
 
武者たちは立ちすくみ、遠くを見つめる。