彼女は思う
家族で坂を登ってたころ
自分はきちんと役割を担っていただろうか?
 
両親の力にゆだねて
ただ手を引っ張られて登っていた
あちこち余所見をしたり
ときどき横道にはぐれたり
  
それでも家族は見守ってくれた
坂は続く
 
やがて両親は老いる
それでも家族は一緒に登る
 
きっと登る
ずっと登る。