いつも一緒にいたかった

原発の事故が起きる前は
ここもいつもの場所で、
いつもの時間が流れていた
 
廻る季節にほおづえをついて、
空を流れる雲や
稲をわたる風に
秋を感じていた。
 
海は穏やかだけど、8月のようには人はいない。
 
時間は戻らないから、
元の生活なんてものも
期待はしていない
けど
 
あまりにも大きな変化はずっと心の中で
悔やみ続けてる
 
きっとここから逃げ出して
どこかへ行っても、その想いを
消すことは彼女にはできない
 
いつも一緒にいたかった
 
そんな気持ちが
あちこちに転がっている
 
変わることが大切だと大人は言うが
ホントウに捨てていいのかどうか
よく考えようと思う
 
となりで笑ってたかった
 
あの景色や時間や人々と一緒に
ずっと笑っていたかったな
 
夕映えの影
深呼吸ひとつ
どこまでも 遠い遠い空