ロケットライフ

彼は年齢を重ねるたびに
その世代世代ごとの椅子を手に入れることに
喜びを感じていた。
 
しかし、あるとき彼はふと疑問を感じた。
 
それは本当に彼が望んで手にした椅子だったのだろうか?
 
子供が親から与えられるように
結局は平均的なラベルに満足していのたではなかったのだろうか?
 
10万km/hの速度で宇宙を駆けるロケットのごとく
すべての人生は未来に向かって突き進む。
 
それを停めることも戻ることもできないのがルールならば
彼は突き進むしかしょうがない。
 
ラベルに満足している場合ではないと彼は思った。