楽園の追放

ある朝 工場長が新しい機械を導入した。
しばらくすると二人の工員がいなくなった
 
町角にたばこの自販機が設置された
少しして近くのたばこ屋は店じまいした。
 
駅の改札口はスムースに
通り抜けられるようになったけど
駅員の笑顔は見られなくなった。
 
自動化や機械化が進むたびに
人々の仕事は減っていく
 
就職難民の彼女は
ようやくありついたバイトで
貧困な毎日を送っている
 
定年間近の彼も
理想とかけ離れた生活を
強いられている
 
それでも安く買えるものがあるから
死にはしない
 
ロボットが多くの産業を担う時代にあって
(リスクを伴う仕事はやむ得ないにしても)
人ができる仕事は人にやってもらったほうがいい
 
自動化を進めるたび誰かが不幸になっている
我々は人類の未来のために戦う
『世界反自動化連合』はそう声明を読み上げると
 
街中からロボットの追放を始めた。。