新しい教室

春休みの間 閉ざされていた教室は
ワックスの匂いが鼻をくすぐる
 
見慣れた廊下や階段も
ひとつ進級し、新しい仲間と巡り合う季節には
なぜか新鮮に見えるから不思議だ
 
新しい教科書の頁を折込ながら授業が進む。
わさわさとした雰囲気はクラスに漂うものの
マイペースの彼女は窓際の眺めのいい席から
校庭に咲き誇る桜をぼんやり見ている。
 
すこしずつ新生活のエンジンが回り始めた
最初の週末
新体制の部活の合間に教室に戻ると
 
開け放たれた明るい窓から春の風は
カーテンを揺らし、ひらひらと散り始めた
たくさんの花びらを教室へ運ぶ
 
時間が止まる 土曜日の午後。。