借体未来

高密度となったハードディスクは多くの情報量を持つことができる
生まれてから死ぬまでの写真や音声、動画、メール、バイオグラフ、雑感。。

脳の記憶よりも鮮明で劣化のない情報量。
本人さえも忘れてしまったメモリが保管される時代になった。

他人の人生そのものを、これまた超高速となったネットワークとサーバーを経由して
誰もが体感できる電化製品も開発された。

そうなると、映画やテレビなど無用である。

現実に勝る娯楽はない。

そして
自分の人生というものにまともに向き合う人は少なくなってしまった。
他人の人生を借りることで十分満足するように人々の意識は変わってしまった。