微熱

永遠というため息が青い空を流れている。
初夏らしい若葉が目に痛い。
 
体の弱い彼女は始まったばかりの学校を休んでいる
午後のやらかい日差しの中でお布団にくるまって

微熱の耳たぶに 
カラカラと空き缶をけったり、リコーダーを吹いたり、
小さなおしゃべりをしたり
学校から帰っていく友達は時の流れ教えてくれる。
 
彼女は 彼女の巣の中で
静かに、その音色に耳を澄ます。
 
カキンカキンと空の高いところで鳴っている
ガラスの風鈴のようなあの音。