Overlord

バンマスは腕を大きくかざして、頭を振った。
銃弾は一斉に雨の中を縦横無尽に撃ち放たれる
楽隊は海岸を目指し上陸の機会を伺うも
炸裂する音の壁に身動きがとれない。
第一バイオリンは左の土手にたどり着き
弓も折れんばかりに激しい攻撃を仕掛ける。
 
それに続かんとばかりに、ビオラもチェロも怒号の旋律を投げ掛ける。
荒々しく激しく、銃弾はバイオリンの胴を打ち抜き、弦がはじき切れる。
それでも多くの楽員は勇敢にも凛として戦うことをやめなかった。
自由と勝利を信じて。