夏休みの初日、テレビのニュース速報で
戦争が始まったと流れた
それから毎日戦況がニュースで報告され
ワイドショーで取り上げられ
クイズ番組やお笑いでもネタになった
北海道で最初の爆撃があったとか、
その影響で流通が滞り気味になり
物価が上がったとか、混乱はあったが
街頭インタビューを受ける人も
困ったわねくらいの感覚である。
自衛隊も敵地で活躍しているらしいが
大臣の更迭ばかりで
まともな政府の回答はなかった
戦争のきっかけが何で
何処と何処が戦っているのか
誰も気にしなかった。
日本海側の都市が打撃を受けても
首相は問題ありません
国民の生活と安全は守ります
と言いながら舌を出した。
気がつけば200の町が焼かれて
2万人が家を失った。
それでも避難所から海水浴や
キャンプ、バーベキューに
人は流れた。
夏を楽しみたいですと家族連れは笑う
秋になると非正規雇用で
兵員の募集がされた。待遇がいいので
多くの学生がネットで応募した。
戦争終結の速報が年末に流れたが
やはり誰も気にしなかった
年末はやる事多いのよと主婦は語る。
その事を
諜報部員として潜入した彼は記録に
驚きの顔文字と一緒に残した。
