スープ

 
夜の干潟をぶらぶら歩いてる
師走の明るい月明かりの下で
 
ジャブジャブと引潮の波際を攻めながら
少しずつ沖を目指す
 
グローブを外して海水に
手のひらを浸せば
 
青い冷たさの中に貝や小魚の
小さな気持ちを感じる
 
新しい年が良い年でありますように
彼らもそう祈ってる
 
見上げれば星の隙間
白い箒星が流れる
 
あれもまた、遠くの世界からやってきた
誰かの祈りに違いない
 
海でもなく陸でないこのスープから
沖へ沖へと先を目指す。